【コラム】秋、北新地で出逢う「森の薫り」と「大地の熟成」
query_builder 2026/04/05 | 季節の食材
秋は、フレンチのシェフにとって最も昂揚する季節かもしれません。 高く澄んだ空、少しずつ冷気を帯びる夜風。そんな季節にふさわしいのは、滋味深いキノコの香り、そして大地の豊かさを凝縮したようなワインの余韻です。 今回は、キュニエットがこの秋お届けする「味覚の対話」について綴ります。
1. 森からの贈り物:セップ茸とジロール茸の競演 フランスの秋を象徴する食材といえば、やはり野生のキノコです。 セップ茸(ポルチーニ)の深淵: 「キノコの王様」とも呼ばれるセップ茸は、加熱することでそのナッツのような香ばしさと官能的な旨みが爆発します。当店では、その濃厚なエキスを余すことなくソースに閉じ込め、手打ちパスタやリゾットで提供しております。 ジロール茸(あんず茸)の輝き: 鮮やかな黄色が目を引くジロール茸は、その名の通り微かに「あんず」を思わせるフルーティーな香りが特徴です。バターで優しくソテーし、素材の食感を活かすことで、一皿に軽やかなリズムを生み出します。
2. 黄金の秋:丹波栗とかぼちゃの慈しみ キュニエットが大切にしているのは、生産者様の想いが詰まった素材です。 秋のスペシャリテとして欠かせないのが、「丹波栗」。 一粒一粒に閉じ込められた圧倒的な密度と甘みは、まさに芸術品です。鶏肉や鴨肉と共にじっくりと煮込むことで、栗の甘みがソースの塩気と溶け合い、口の中で「秋の情景」が完成します。 また、じっくりと糖度を引き出したかぼちゃのポタージュは、冷えた身体を芯から温める、最初の一口にふさわしい優しさを持っています。
3. 秋夜を彩る、ワインのペアリング 秋の重厚な料理には、それに寄り添う「骨格」のあるワインが必要です。
■ 赤ワイン:煮込み料理とタンニンの結婚 ボルドーのメルローや、少し熟成の進んだブルゴーニュ。 肉の繊維にまで染み込んだ赤ワインソースの旨みと、ワインの持つ滑らかなタンニンが共鳴する時、それは至福の瞬間となります。
■ 白ワイン:クリーミーなソースへの回答 セップ茸のクリームソースには、樽熟成のニュアンスを持つシャルドネを。 バターやクリームのコクに、ワインのふくよかな果実味が見事に重なり合います。
4. シェフのノート:ご家庭で愉しむ秋のヒント 特別な日の余韻を、ご自宅でも少しだけ。 セップ茸のパスタのコツ: キノコは決して水洗いせず、汚れを拭き取る程度に。強火で一気に焼き色をつけることで、香りが「閉じ込める」のではなく「解き放たれ」ます。 ワインの保存: 秋は室温も安定しますが、やはり日光と急激な温度変化は禁物。抜栓後、少し時間が経って香りが開いた状態のワインを、ゆっくりと味わうのが秋の醍醐味です。 5. 終わりに:会話が弾む「青の空間」 キュニエットの青い壁に囲まれた空間で、琥珀色のグラスを傾ける。 秋の夜長、美味しい料理とワインがあれば、自然と会話は深まっていくものです。 生産者の手、シェフの技、そして選び抜かれたワイン。 そのすべてが重なり合う一瞬を、ぜひ北新地でご堪能ください。
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